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セブに住むという選択[中] 40代で会社を辞めて、移住して起業

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セブに住むという選択[中] 40代で会社を辞めて、移住して起業

前回は50代以上のリタイアメントビザについて紹介したが、今回はセブに移住する魅力の1つともいえる35歳から取得できる「リタイアメントビザ」について紹介する。35歳~49歳までは2万ドル(or5万ドル)と預託金が多少高くなるが、ほかの国に比べるとかなりハードルは低い。永住権を取得することができ、仕事をすることも認められている(外国人労働許可証(AEP)の取得は必要)。このシステムを利用して40代でセブに移住、起業をした若村雄介さんに話を聞いた。
会社を辞めて「やりたいことだけをやる1年間」を過ごす

「2014年に新卒以来17年勤めた会社を辞めて、退職金を使い1年は好きなことだけをやろうと思っていました」と若村さん。とにかく世界を見てみようと、バックパックでヨーロッパ、中東、アジアなど旅行したそうだ。「旅行をしてみて、やはり英語の学習の必要性を感じました。日本国内で机に向かって勉強するのは苦手ですし、欧米でのホームステイはホストファミリーが自分より年下になってしまいそうでした。いろいろ留学先を探していたら、セブがよさそうだと思いました」とのこと。

「セブでは社会人向けの留学施設が充実していて、最初は6月末から3カ月くらい留学しました。勉強もおもしろかったですが、学校で出会った人たちとの交流が楽しくなってしまいました」セブでいろいろな人たちと出会うことが刺激になったそうだ。「セブには海外起業家、投資家など、自由に生きている人がたくさんいて、日本で会社員をしていたら出会えなかったような個性的な人がたくさんいます」現地の経営者に誘ってもらったこともあり、セブに残りたいと考えはじめたそうだ。

その人に合った語学学校を選べる留学エージェントを起業

実際に若村さん自身が留学してみて、セブの語学留学は、英会話の初級者にとって英語の基礎を身に付けるのには最高の場所だと確信した。そしてもっと幅広い年代にセブの英会話留学のよさを知ってもらいたいと感じるようになった。

「でも当時のエージェントのターゲットは20代の若者中心で、経営者や役職者などニーズが多様化している社会人からすると物足りませんでした。私自身も当時40歳で自分に合う語学学校を探すのに苦労しました。結局セブに来て自分で学校をチェックし、留学先を決めたくらいですから」

そこで自分が法人・社会人向けの留学エージェントになることを思い立ったそうだ。「2020年には日本でオリンピックが開催、外国からたくさんの人を迎え、英語熱が高まっていくのは目に見えています。意気投合できるビジネスパートナーに出会えたこともあり、留学したい人のニーズに合った語学学校を提案できるエージェントを起業しようと思いました」。2015年1月から本格的に移住し、留学エージェント「株式会社セブ社会人留学」を立ち上げた。

これまで70校以上の語学学校を訪問し、視察やレッスン体験をし、なんと6校には実際に生徒として入学したそうだ。「その人の優先順位によって、どの学校が最適なのかは異なります。まずはカウンセリングでしっかり話を聞き、自分の経験からその人にぴったりの学校や留学プランを提案しています」私自身の留学も彼に相談して選んでもらった。

仕事ができるリタイアメントビザを取得して活用

「リタイアメントビザを持っていると、出国チケット※を持っていなくてもフィリピンに入国できます。取引相手が日本人なので、やはり時々日本に出張しますが、予定が変更になることも多いので便利です」とビザ取得のメリットは多いようだ。

「リタイアメントビザと言いつつ働けるビザであること、SSP(就学許可証)が免除されることもメリットですね」。若村さんは仕事上さまざまな語学学校に入学することがあるが、SSPの費用(約6500ペソ、日本円で約1万3650円 ※2016年9月27日現在1ペソ=2.1円、以下同)は負担だ。私自身も語学学校に滞在するために支払ったが、結構高いと感じた。半年ごとに、あるいは学校が変わるごとに支払う必要がある。面倒な観光ビザの延長手続きも無くなり、セブに滞在するさまざまな自由度が高まったそうだ。

※外国人がフィリピンに入国する際、帰りのチケットをもっていないと入国できない場合が多い

「プールのある広い家で犬を飼いたい」そんな理想の暮らしを実現できたセブ

東京に長く住んでいたこともあり、日本での「住」のコストの高さは身に染みていた。「子どものころから団地やマンション暮らしだったので、広い庭のある大きな家で犬を飼って暮らしたいという憧れが漠然とありました」

現在住んでいる家ではその夢が実現できたそうだ。庭にはプールがあり、リビングの広さは40畳くらいある。4LDKで家賃が6.5万ペソ(約14万円)。ここでスタッフと一緒に暮らしながらオフィスとしても利用している。

【画像1】広い庭にはプールもある若村さん宅(写真提供/若村雄介)

【画像1】広い庭にはプールもある若村さん宅(写真提供/若村雄介)

「セブでは気に入った家があると大家さんと直接交渉することも多いです。ここもはじめ8万ペソと言われましたが安くしてもらいました」 空いている部屋はゲストハウスとして貸してもいる。どの部屋も広々していて気持ちいい。気になる治安は、この住まい自体がゲートシティの中にあり、街に入る際は免許証を提示しないといけない仕組みになっている。

【画像2】空いている1室はゲストハウスとして活用している(写真撮影/四宮朱美)

【画像2】空いている1室はゲストハウスとして活用している(写真撮影/四宮朱美)

「セブの治安はマニラ等の他のフィリピンの大都市に比べるとは良いほうです。しかし盗難等の軽犯罪は世界一安全な日本と比べて当然多いです。きちんと学校のルールを守って留学生活を送る必要はあります」。

セブは全体的に、日本に比べて物価が安い。「 タクシーは初乗り40ペソ(約90円)、市内を移動する乗合バス(ジプニー)は7ペソ前後。缶・小瓶ビールは30ペソ前後で、外国人が満足できる清潔なフィリピン料理レストランでお腹いっぱい食べても1人200~400ペソ前後。物価は日本の1/3程度だと思いますよ」。ただしハイテク製品や車などの贅沢品は日本よりも割高の物も多数あるようだ。

これから成長しようとしている国で働くことがおもしろい

「フィリピンは発展途上国なので、インフラもまだしっかりしていません。家の設備が壊れたり、急に停電になったり。でも不思議なことに50代以上の日本人は『懐かしい』という感想が多いんですよ」。確かに私も自分の子どものころを思い出していた。舗装されていない道が残っていたり、古い家が立ち並んでいたり。郷愁を覚えることがよくあった。

「先日は70代後半で、長く会社経営をされてきた方が、高度成長期を迎える前の日本に似ているとコンドミニアムをいくつも購入されて帰りました。セブの現状を見ていると久しぶりにワクワクして、何か力になりたいと思われたようです」という。若村さん自身もセブの将来に期待しているようだ。

「日本人の留学体験の提供を通じて、日本の中小企業の海外進出や事業拡大の支援もしたいと考えています。また逆にフィリピンをはじめとした発展途上国の若手人材が日本にくることによって、日本の労働力不足を解決するとともに、途上国のビジネスリーダー育成に貢献したいと思っています」 彼のもとで若いスタッフも育っている。最近では近くにバーもオープン、セブで働く日本人の交流場所になっているそうだ。

「私自身がグローバルに暮らして、自由に仕事をしたいと思っています。1年中温暖な気候なので実はTシャツに短パンで暮らせるのが一番気に入っているかもしれません」と笑いながら話せるのも、スモールスタートでリスクも少ないからだそうだ。

【画像3】若村さんが経営するBAR RIPPLE(写真撮影/四宮朱美)

【画像3】若村さんが経営するBAR RIPPLE(写真撮影/四宮朱美)

私も4週間滞在して、すっかりセブが気に入ってしまった。とりあえず英会話を習いたいという気軽な気持ちで来てみてはいかがだろう。次回はセブ滞在13年、セブで暮らす人がみんな頼りにしているという女性に話を聞いてみた。

●取材協力
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情報提供元:SUUMO

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更新日:2017年1月17日

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